事業再構築補助金2022とは?対象や申請まで分かりやすく解説!

新型コロナウイルス感染症の拡大は、私たちの生活に大きな打撃をもたらす結果となりました。特に経済的な打撃は大きく、これまでに事業継続のために持続化給付金や事業復活支援金、雇用調整助成金など多くの支援策をおこなってきました。
しかし、こうした支援策はウィズコロナ・ポストコロナの時代とともに終了となったり、支給上限額が引き下げになるなど軒並み終了しつつあります。
そんな中で注目されている補助金があるのをご存じでしょうか?
それが、事業再構築補助金です。

ここでは、事業再構築補助金について基本的なことから、申請方法から受給までの流れ、対象となる事業者などを分かりやすく説明いたします。

事業再構築補助金2022とは

事業再構築補助金とは、国が支援する補助金制度です。新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた日本の経済状況をよくするために、新商品や新事業展開、業種展開や事業再編など事業再構築に向けて思い切った挑戦をしようとする中小企業などを支援するために作られた補助金制度です。

つまり、新しい取り組みや現事業のビジネスモデルを方向転換したい中小企業に向けて、国が補助金を出すという制度なのです。
このような背景から、多くの中小企業や会社が注目しています。
2021年の第1回公募から始まり、この年には4回の公募がありました。また、2022年は計4回の公募があり、2022年10月3日より第8回の公募が開始されました。
今後も公募する見込みで、第8回以降も実施されることが発表されています。

なお第8回公募は令和5年1月13日18:00締め切りとなります。

補助される金額は

事業再構築補助金で補助される金額は申請類型によって違いはありますが、100万円~最大で1億円と高額な補助金が支給されます。
予算額も多額で、令和2年度第3次補正予算で1兆1,485億円、令和3年度補正予算で6,123億円、令和4年度予備費予算でも1,000億円が充てられることとなりました。

補助金は他にも代表的なもので「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」、「小規模事業者持続化補助金」等がありますが上限額も低く、事業再構築補助金ほどの補助金は支給されていません。

このことから金額の多さに注目されている理由がわかりますね。
それぞれの類型の違いは
事業再構築補助金は5つの類型に分けられます。

  • 新分野展開:新しい市場で新しいことに挑戦する
  • 事業転換:主とした業種は変更せず、事業を変更する
  • 業種転換:新しいサービスや商品を提供し、主とした業種を変更する
  • 業態転換:商品やサービスの製造方法を変更する
  • 事業再編:合併や譲渡による新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換のいずれかをおこなう

この5つの事業再構築類型のいずれかに該当する必要があります。

対象・対象外となる事業者


事業再構築補助金を申請するにあたり、対象となる事業者かどうかを確認する必要があります。
該当するかどうかを判断する基準についてまとめましたので、紹介していきます。

①売上高の減少

事業再構築補助金はコロナウイルスで影響をもたらした経済をよくするために作られた補助金制度です。そのため、売上がコロナ前後で比較して減少しているということが必要条件となります。
対象として取り上げられる項目は次の通りです。

申請する前の直近6ヶ月以内に任意の3ヶ月の合計売上がコロナ前の2019年、又は2022年1月〜3月までの同3ヶ月の合計売上額と比較して10%減少している場合
となっております。

例えば、2022年9月に申請する場合、直近の6ヶ月以内(2022年3月~2022年8月)2022年3月・4月・6月と2019年3月・4月・6月の売上高が10%減少していれば申請対象となります。
また、上記を満たさない場合は以下の項目を満たすことでも申請可能です。

申請する前の直近6ヶ月以内に任意の3ヶ月合計付加価値金額がコロナ前の同3ヶ月の合計付加価値金額が15%以上減少している場合

合計付加価値金額とは、営業利益・人件費・減価償却費を足したものになります。
最初の売上高を比較する項目とは違う金額で確認することになります。売上高か付加価値金額かで対象が変わってきますので、気を付けてください。
この2つのどちらかに該当する場合は、対象事業者となります。

②事業再構築に取り組む

2つ目に必要なことは、先に述べた5つの類型(新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換・事業再編)に沿って事業再構築に取り組むことが必要条件です。
5つの類型のうち1つでも当てはまることができれば対象となります。

③認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する

認定経営革新等支援機関と連携を取り、事業計画を策定することが必要条件となります。
認定経営革新等支援機関とは、国から認定を受けた中小企業支援に関する専門知識や一定レベル以上の実務経験がある支援機関のことです。

  • 税理士や税理士法人
  • 公認会計士
  • 中小企業診断士
  • 商工会・商工会議所
  • 金融機関

これらの支援機関は中小企業庁のHPで探すことができます。
また、補助事業終了後の3~5年で付加価値額の年率平均3%(一部5%)、従業員一人当たり付加価値額の年率3%(一部5%)以上の達成条件が必要となります。
以上の必須申請要件を満たした事業者が次の6つの枠から一つを選び、申請することができます。

事業再構築補助金の6つの枠

  • 通常枠
  • 大規模賃金引上枠
  • 回復・再生応援枠
  • 最低賃金枠
  • グリーン成長枠
  • 緊急対策枠

それぞれ要件が違ってきますので、確認したうえで、申請枠を選ぶようにしましょう。

事前に準備が必要なもの

事業再構築補助金を申請するためには、GビズIDプライムアカウントが必要となります。
たとえ、書類がそろったとしてもGビズIDプライムアカウントの登録が完了していないと申請することができません。
また、アカウントは、利用できるまでに1週間程の時間がかかるので先に登録しておくことをおすすめします。

申請のスケジュールは?

次に申請のスケジュールについてご紹介します。
申請スケジュールは長期にわたります。申請締切日までに申請しても、そこから先にはいくつかの過程を要します。

通常、申請申し込みから補助金の入金までの期間は、申請者の状況などからばらつきはあるものの、おおよそ1年弱~長くて1年半程の時間を要します。

しかし、採択されたとしても、補助金がすぐに入金されることはありません。
採択され事業が始まったとしても、先に資金調達が必要となることが考えられます。
その場合は、金融機関等への借り入れ等も検討する必要があります。
申請書類を作成するのも大切ですが、金融機関への相談も早めにしておくことが大切です。
長丁場になることは覚悟しておいた方がよいでしょう。

申請準備期間

申請するまでには、多くの書類や関連資料を集める必要があります。
認定経営革新等支援機関や金融機関に関する確認書類も用意しなければいけません。
事前に書類を用意するだけでも1~2か月を要しますので、できる限り早めに動くようにしましょう。

申請から補助金入金までの流れは?

申請から実際に補助金が入金されるまでのスケジュールは以下のとおりとなります。

  1. 採択結果の発表:約2ヶ月~3ヶ月
  2. 交付申請:採択後1ヶ月
  3. 交付決定:交付申請後約1ヶ月
  4. 補助事業の実施期間開始
  5. 補助事業に関する設備等の購入・投資
  6. 補助事業の実施期間の終了(申請枠によって期間が異なるが約12ヶ月程度)
  7. 実績についての報告
  8. 確定検査
  9. 補助金の支払い

採択後から補助金が実際に入金されるまで1年以上の年月がかかります。これは、補助事業についての実績期間が設けられるためです。
事業についての実績期間を報告することで補助金が支払われるという仕組みになっています。
この実績が認められた後、補助金が支払われます。
採択され、実際に補助金がお手元に入金されるまでの期間は1年半以上かかるため、申請後の計画もしっかりと立てた方が良いでしょう。

まとめ

事業再構築補助金は、コロナウイルスの影響で低迷してしまった日本経済を活性化するためにできた補助金制度です。
主に、新しい事業の取り組みや業種転換など新しいことに取り組む中小企業を応援するために作られました。
補助金額は高額で100万〜1億円と支給してもらえますが、その分、審査も厳しいものとなっています。

また、この事業再構築補助金は、設備投資など事業にかかわる資金が先に必要になることもあります。前もって、銀行や日本政策金融公庫などの金融関係からの借入金を利用して資金を調達することも出てくるので、しっかりと計画を立てた上で申請するようにしましょう。

BESO 吉川 昌宏

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